日常
東京事業所周辺を歩く②公園巡り
2021年3月1日のブログに続き、東京支店周辺の散策第2弾です。
今回は付近の公園巡りを中心に歩いてみましょう。
まず、東京支店から歩いてすぐのところにある日本橋健康センター横の堀留児童公園です。私の前回のブログで述べましたように日本橋川からの堀は東堀留川、西堀留川2本あり、ここは東堀留川の最終地点だったところ「堀留」の場所です。今はすべて埋め立てられてしまっています。堀を埋めた最終地点ここ堀留は堀が広くなっていたため、こうした公園になっています。リニューアルされたことで、だいぶしゃれた雰囲気に替わりました。春には見事な桜の満ちた公園になります。
次に日本橋川方面に向かってみましょう。これは日本橋川の川岸にある小網児童公園です。前回紹介した西郷隆盛邸跡の日本橋小学校から東京証券取引所（JPX）に向かう途中にあります。公園を道路側から眺めると高速道路の見える方角に日本橋川が流れています。右へ行くと江戸橋から日本橋へ、さらには常盤橋から大手町の鎌倉橋、神田橋と続き、はては神田川につながっています。反対に左へ行くと鎧橋から茅場橋に出でて最後は隅田川に流れ込みます。本当は日本橋川の橋巡りをしたかったのですが、今回は断念しました。
ここから左で少し歩いて日本橋川を鎧橋からわたると東京証券取引所（JPX）があります。写真右手の方に鎧橋が僅かに見えます。
JPXに渡る日本橋川にかかる橋が鎧橋でこの橋のJPXと反対側のたもとがポケットパークになっています。ここに「皇太子ご成婚記念標柱」があります。現在の上皇陛下がまだ皇太子の頃、昭和34年に美智子上皇后陛下とご成婚された際、作られたもののようです。さらに昔は橋がなくよろいの渡しといって渡し舟で渡河していたようでJPX側の橋のたもとに「鎧の渡し跡」の中央区教育委員会の説明板があります。西郷隆盛はこの鎧橋を渡って明治政府への役所通いをしていたと司馬遼太郎が書いています。
今度は支店の北の神田、秋葉原方面に向かってみましょう。これは支店の真北の小伝馬町にある十思公園です。もとは十思小学校だった場所ですが、現在は前回紹介した保育園、デイルーム、お年寄り相談センター、訪問看護ステーション、牢屋敷展示室などの複合施設の十思スクエアとこの公園になっています。緊急時の避難場所にも指定されています。この場所に江戸時代、小伝馬町の牢屋敷がありました。ここに投獄されこの地で亡くなった吉田松陰の碑があります。見辛いのですが、向かって右の碑は「松陰先生終焉の地」と読めます。
日本橋川や隅田川（江戸時代は大川と呼ばれていました）の間には縦横にお堀が巡らされていましたが、これは神田龍閑寺川（川というが人口の堀です）の埋立跡の地蔵公園です。昭和通り沿いにあり、神田龍閑寺川埋立の碑があります。
地蔵公園近く、昭和通りの反対側には和紙について展示のある小津和紙博物館があります。和紙関係の常設資料展示があり、時々、たとえば「吉野紙」といったような特別展があります。和紙の手漉き体験や書道・水墨画などの文化教室に参加することもできます。
この龍閑寺川埋立の跡をずっと辿っていくとしゃれた建物のある（トイレですが）龍閑寺川児童公園を見つけました。石畳、石橋もあり、ちょっとしゃれています。
さらに北に位置する岩本町には、江戸時代の前から「お玉が池」という上野の不忍池よりはるかに大きな池があり、「桜が池」とも呼ばれていました。この近辺は江戸時代には湿地帯で、池の周囲には柳や桜が咲き、はるか向こうには江戸城が見えたそうです。池の名前はこの地にいたお玉の伝説に由来します。美人で評判のお玉という娘に、人柄も容姿も似たような男二人が思いを寄せ、現代では考えられないことですが、悩んだお玉は桜が池に身を投げました。この話からこの池をお玉が池と呼ぶようになったとされます。ここはちっぽけな公園になっています。池のあった場所の一角にはお玉の霊を慰めるため、お玉を祀る祠「繁栄お玉稲荷神社」があります。歌川広重の江戸名所絵にもとりあげられています。
今度は隅田川方面に向かってみましょう。こちらにも浜町川というのがあって今は暗渠となってその上に緑道が作られています。浜町には前回紹介しました江戸の芝居小屋の系譜で残った明治座があり、それにちなんで弁慶の勧進帳の名場面の像が作られています。
隅田川沿い、明治座と隅田川の間には浜町公園があります。広い公園でこの公園内には中央区の総合スポーツセンターもあります。
前回ブログでも述べましたが、東京支店周辺のいわゆる日本橋界隈は今は見ることのない昔を想像力で補って散策する場所です。朝晩の通勤の際や昼休みにちょっとずつその後をたどるとそれなりに味わい深い江戸名残の街であります。
本日のブログ担当：東京支店のKさん
