今回は、症例ファイルについてです。症例ファイルというのは、治験に参加される患者さんごとに、
その治験で必要になる諸々のものを1冊のファイルに集めたもので、医療機関で治験を実施する際に使用されています。

 

メディカルライティング室では、症例ファイルの中で、来院スケジュール表、チェックリスト、ワークシートといった治験のスケジュールに係わるところを作成しています。

通常は、医薬品の開発業務を受託されているCRO社から依頼を頂戴します。

治験実施計画書のスケジュールから来院の頻度と来院ごとの検査をもとに業務量を見積もり、治験開始に合うように作成担当者のスケジュールを確保します。

来院スケジュール表、チェックリスト、ワークシートのすべてを作成するとなると1ヵ月半はかかりますので、準備含めて2ヵ月以上前にご依頼いただけると予定が立てやすいです。

 

来院スケジュール表

その患者さんの最初の来院日を入力すると後の来院日がいつになるかをすべて計算して表示できる一覧表です。

来院時に必要な検査なども含めます。治験実施計画書を正しく反映しているか、計算に間違いがないかに注意しています。

 

チェックリスト

来院日ごとに治験実施計画書から必要な調査や検査などを抜き出し、チェックボックスをつけて、来院されたときの実施順に並べたシートです。

検査の詳細や留意事項を抜き出して記載することもあります。その来院日に何をしてもらうかを、分かりやすくまとめることを心がけています。

 

ワークシート

来院日ごとに、調査や検査などの結果を記入できるようになっているシートです。

症例報告書の仕様に合わせて、項目ごとにチェックボックスを作成したり、データやコメントの記入欄を作成したりします。来院日ごとにまとめたシートと治験期間に共通するシートを作成します。

症例報告書の見本をもとに作成しますが、治験実施計画書の内容に沿っていることも確認します。

 

 

基本的な部分を作成してCRO社に確認いただき、確認結果を反映して、全体を作成したら納品です。

作成に着手してから治験実施計画書や症例報告書の見本が改訂されることもあります。

変更箇所を調べて、できるだけスケジュールに影響しないように調整しつつ反映するのですが、突如変更となる場合もあり、その対応には毎回苦慮しています。